BITEかみ合わせ治療
はじめに
日々、診療をしている中で痛感するのは、患者さまが歯の痛み・シミる・歯ぐきが腫れたという症状の原因をすべて”ばい菌が入った”と思い込んでいる点です。
もちろん、そういうケースもありますが、それと同じくらいの割合で”かみ合わせの悪さ”が原因で歯や歯ぐきが傷んでいるのを目にします。
たとえば、「いつも朝・晩、歯みがきをしているのに、なぜむし歯になるのだろう?」と思ったことはありませんか?
それはおそらく、かみ合わせが関係していると思います。
かみ合わせの異常で
起こること
かみ合わせが原因で以下の症状が起こる可能性があります。
- 歯がシミる
- 噛むと歯が痛い
- 歯ぐきが腫れる、出血する
- 噛みにくい
- 顎が疲れる
- 顎が痛い
- 頭が痛い(こめかみ、頭の横らへん)
- 顎がコキコキ鳴る
- 肩が凝る
- 舌がヒリヒリする
治療の内容は?
かみ合わせの治療は一つではありません。
患者さまそれぞれに合わせた治療方針を提案しますので、気軽にご相談ください。
高額な治療が必要なケースはあまりありません。
もう少し詳しい
かみ合わせの話
正しいかみ合わせとは
人は、食事の時、重い荷物を持つ時、運動する時など、さまざまなタイミングで上下の歯をあてて力を入れます。
この時、必ず同じ位置で左右均等に歯をあてます。
この位置がずれないように、上下の顎の間にはたくさんの筋肉が付着し、下の顎の動きを調整しています。
そして、その位置で力を入れた時、ほぼ全部の歯が同時に接触するように並んでいます。
顎の力はとても強いので、全部の歯でその力を受け止めないと歯の根がすぐに傷んでしまいます。
人間の顎というのは、このようにミクロン単位で緻密な動きをするように作られているのですね。
逆説的にいうと、以上の働きが機能していない場合、「かみ合わせが悪い」ということになります。
悪いかみ合わせの例
CASE1
例えば、右上の一番奥の歯がなくなったとします。この時点で左右均等に力が入らなくなります。
結果としては、食事中に左側の歯を主に使うようになり、以下の図のような症状が出ます。
右側の歯を使う場合でも、元々使っていた歯より前方へ噛む場所がずれるため、骨植の弱い歯をメインで使うことになります。そのため、噛んだ時に痛みが出たり、シミる感じがしたり、さまざまな症状が出ます。
CASE2
例えば、むし歯の治療の後で、詰め物をしたり被せ物をしますよね。
この時、ほかの歯より高さが高い(他の歯より先にあたる感じがする)とどうなるでしょうか。
1本の歯の高さが少し高いだけなら、そのまま噛むことができるかもしれません。
ただ、噛む力が全部その歯にかかるので、しばらくすると歯がシミてしまったり、食事の時に痛みが出たり、ひどい時は歯がグラグラするようになります。
高さが著しく高い時は、その歯があたらないように顎をずらして噛むようになるので、他の歯全部をずらしてあてて噛むようになります。